セタンタ達が『六師』との決闘の最中、その後方のセビーリャ防衛ラインでは、殺到する『六王権』軍と突然の熱波、二つの敵との熾烈な死闘を繰り広げていた。

汗を滝のように噴き出し、水も熱湯と化した為飲む事も出来ず、猛烈な熱波と咽喉の渇きに苦しみながら引き金を引き銃口が弾丸と共に火を噴き出す。

だが、これでもまだ沈静した方だ。

先程等は突然炎の槍が遥か前方から襲撃し『六王権』軍の死者諸共何人かが火達磨となって消し炭にされた。

その直後等は恐怖と混乱、さらには熱波で冷静な思考も出来ずにいた彼らに半ば止めを刺したも同然だった、悲鳴をあげ、右往左往し中には逃げ出そうとする者も現れる始末だった。

そんな中かろうじて例外なのは魔術に造詣のある騎士団部隊と魔術師部隊だった。

彼らは熱波が襲いかかってきた直後、断熱の魔術を施し、熱波の被害を最小限に食い止め、陣頭に立って『六王権』軍迎撃に全力を尽くす、それはバゼットも同じ事、セタンタと同じルーン魔術で断熱処置を自らに施すと獅子奮迅の働きで次々と死者を殴り飛ばす。

そして宗一郎は事態の急変を察したメディアが慌てて駆け寄り、断熱処置を既に施している為何の問題も無い。

バゼットとコンビを組み死者を次から次へと元の死体に還していく。

もちろん宗一郎に処置を施した後はメディアも同じ処置を自身にも施し、支援を継続している。

彼らがこの大パニックにいち早く前線に移動し『六王権』軍を食い止めていたからこそセビーリャに『六王権』軍乱入の最悪の事態は回避されていた。

しかし、他の部隊の混乱は未だ収まる気配は無く、ただでさえ差のある兵力が広がり、その善戦も薄氷のものとなっていた。

六十二『鬼手』

ディルムッド目掛けて振り下ろされた拳は叩きつけられた・・・誰もいない大地目掛けて。

「・・・ちぃ」

忌々しげに空を見上げる『炎師』。

そこにはディルムッドの首根っこを掴んで救出、と言うか回収に成功したイスカンダルがいた。

当然だが『神威の車輪(ゴルティアス・ホイール)』に乗って。

「はっはっはっ!残念だったな!この者は余の臣下となる事が決定しておる。故に貴様如きにくれてやる訳には行かぬ!」

「征服王、俺は貴殿の臣下になる予定は無いのだが」

豪快に笑うイスカンダルと裏腹に渋面でそれを否定するディルムッド。

「仕留め損ねたか・・・」

舌打ちを禁じえない『炎師』だったが焦りはない。

確かにイスカンダルの戦車は脅威であるが今までの情報と『炎師』の見た限り、あの戦車の攻撃方法は幻想種であるあの牛が放つ稲妻の他は高速での突撃のみと見て良いだろう。

双方共軽視出来ない威力を持つが、避けられないほどではないし、防ぎきれないほどでもない。

ならばあえて路傍の石の如く無視するのも一つの手段、目的は英霊達と戦う事ではなくセビーリャを壊滅させる事なのだから。

(まあ、あの馬鹿は本気で戦いに興じているだろうがあれはあれでやらせておくか)

そう決断を下すや『炎師』はイスカンダルに背をむけ・・・しかし、気配だけは鋭く配らせて、セビーリャに歩を進めようとしていた。

 

その頃、

「へっどうやら、向こうはイスカンダルのおっさんが救援に行ったか。んじゃ俺も気にする必要はなくなったな」

そう言って改めて『風師』に相対するセタンタ。

しかしその姿は壮絶を極めていた。

全身至る所に切り傷いや、裂傷に華々しく彩られ彼の蒼の皮鎧は自身の鮮血で赤く染まっていた。

ディルムッドの救援に向おうとして『風師』に邪魔され、短時間の内にされた姿だった。

「おっまたやる気になったってか?そうこなくちゃ、喧嘩はお互い殴りあうのが一番良い。無抵抗な奴を殴って悦に入る奴なんざ三流以下の四流、五流よ」

「ったくよマジで気が合うよな俺達は・・・んじゃ続き行くぜ。まずはこの傷の礼だ」

「おおよ!来い!」

先程までややつまらなそうな表情をしていた『風師』だったがセタンタの野獣の如き殺気を受けて再び表情を輝かせこちらも改めて構え直す。

その身を包む風の甲冑も主の意思をくんでかその勢いを増していた。

 

「む?あ奴、余達に背を向けたな」

こちらに攻撃を仕掛けるものと踏んで迎撃の準備も万全だっただけに、イスカンダルは突然自分たちに背を向けた『炎師』に訝しげな表情を見せる。

しかし、直ぐに『炎師』の意図を察した。

「奴め、セビーリャに向う気か」

「何!」

痛みに表情を歪ませながらディルムッドが戦車に寄り掛かるように『炎師』の移動先を確認する。

いや、確認するまでも無い。

『炎師』の脚は真っ直ぐにセビーリャに向う『六王権』を目指している。

「くそ、まずいぞ今の奴が向えば・・・」

「まず間違いなく全滅だのう」

「仕掛けるしか無いか・・・」

「それしかあるまい。脚の方はどうだ?」

「正直厳しいが贅沢を言っている暇はない。どうにかする」

「よし!行くか!」

そう言うやイスカンダルは『神威の車輪(ゴルティアス・ホイール)』を操り『炎師』目掛けて攻撃を開始した。

「・・・やはり来たか」

それを気配で察した『炎師』は甲冑の下で小さく笑いそれでもその歩はセビーリャ目指しゆっくりとだが確実に近付いていた。

そんな『炎師』の頭上に落雷が何回も落ちる。

当然その犯人は戦車を牽く神牛の蹄。

落雷は全て『炎師』を直撃したが当の『炎師』は何事もないかのようにセビーリャに歩を進め続ける。

「効き目なしか・・・」

「征服王、奴の動き少しでも止める事は出来ぬか?」

「ん?出来ぬ事は無いが出来ても一度がせいぜいじゃぞ」

「一度でいい。奴を倒せる可能性がある。一度だけの切り札、いや鬼手がある」

ディルムッドの断言にイスカンダルもまた迷う事無く断言した。

「良いだろう。その考え乗った。お主の鬼手とやらと心中する!」

そういうや、イスカンダルを中心に乾いた熱風が吹き荒れる。

「!!」

『炎師』が以上を察した瞬間、周囲は祝熱の太陽が照りつける無限の地平線広がる荒野と化した。

そして、『炎師』の前方にいつの間にかイスカンダルとディルムッドを乗せた『神威の車輪(ゴルティアス・ホイール)』が鎮座し、その後方から続々と英霊達の軍勢が集結する。

イスカンダルの最強宝具『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』が発動された何よりの証拠だった。

「固有世界・・・いや、結界か・・・だが、『影』殿と同じタイプ・・・まだこのような手を秘めていたか。しかし、英霊であっても俺に近寄れるか?」

そう嘯く『炎師』の言葉は自信過剰ではない。

鬼火のような蒼き炎の鎧に包まれた『炎師』の周囲は酷暑である荒野を更に過酷な環境に変え、『炎師』が踏みしめる砂はその熱に耐え切れず溶け出している。

「こいつはまた・・・・近付くだけでも命がけじゃな」

イスカンダルが思わず独白するほど周囲の気温は上昇を続ける。

先程までの熱風が涼しく感じるほど今の熱風は熱過ぎる。

「じゃが止めねばなるまい」

『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』の展開時間は無限ではないし、次の展開を『炎師』が見逃してくれるかどうかも定かではない。

これを仕損じれば自分達の勝率は絶望的なまでに低くなる、そう確信したイスカンダルは臣下であり同胞である英霊達に苦渋の命を下した。

「すまぬな、朋友達よ・・・進め!敵は天に輝く太陽、それを落とし我らの名を永久に輝かせるものとせよ!」

王の号令に迷いも不信の欠片も無く天を切り裂くほどの士気を持って答えた英霊の軍勢。

彼らもわかっている。

目の前の敵には勝てぬ事を

自分達に出来る事は足止めが精々だと。

だが、それが王の勝利に繋がるのだとすればそれを躊躇う理由が何処にある?

王の勝利の為、自分達が成すべき事を成す為に英霊達は臆する事無く『炎師』に吶喊を仕掛ける。

しかし、小規模な太陽と化している今の『炎師』の前には刃を交える所か近寄る事すら出来ず、次々と灰となり風と共に舞い散っていく。

だが、まさしく死を恐れぬ波状攻撃に『炎師』の足は止められないまでもその速度は緩んだ事は事実だった上に英霊達はその身が朽ち果てようとも己の役割を全うせんとばかりに舞い散る灰が『炎師』の視界を少なからず奪い去っていく。

「くっ!人の執念か・・・」

「良くぞやってくれた朋友達よ!お前たちが臣下であり友であった事こそイスカンダルたる余の最大の栄光そして誉れよ!」

最後の英霊が朽ち果て『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』が崩壊する中『神威の車輪(ゴルティアス・ホイール)』を爆走させてイスカンダルが『炎師』目掛けて突っ込む。

「神の仔らよ最大出力じゃ!『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』!!」

真名の解放と共に今までで最高速と戦車をも包み込む雷光が『炎師』に迫る。

避けきれぬと判断したのだろう『炎師』は左右の腕で二頭の神牛の頭部を掴み戦車の突進を食い止めた。

「ぐうううう・・・燃え尽きろ!」

同時に両腕の炎が更に燃焼し神牛の頭部が煙が立ち上り体毛が焼かれる嫌な臭いが立ち込める。

最大出力での魔力で防御を固めているので燃えるのが遅れているがこのまま行けば遠からず神牛は灰と化す。

だが、この均衡こそイスカンダル、そしてディルムッドの狙いだった。

「今じゃ!」

「承知!」

そういうや片足で器用にも跳躍したディルムッドが『破魔の赤薔薇(ゲイ・ジャルグ)』で先程と同じく『炎師』の心臓の箇所の炎を遮断するや反対側の手に握られた『小なる激情(ベガルタ)』を逆手に持って柄を『炎師』の心臓に打ち込む。

信じられないほどの魔力を帯びたそれを。

以前にも記述したがディルムッド・オディナ最期の戦いである魔猪の闘いの折、彼は致命傷を負いながらも猪の頭部を刃が砕けた『小なる激情(ベガルタ)』の柄で叩き潰した。

その故事どおりこの宝具は最期に一度だけ本来の何倍もの力を発動させ敵を滅ぼす。

その威力は至近距離と言う制約があるがアルトリアのエクスカリバーとも肩を並べる。

しかし、一度だけと言う言葉通り使えば最後、『小なる激情(ベガルタ)』は消滅する。

ディルムッドは自身の最終兵器を・・・炎師ともつれるように倒れこむ寸前にその真名を解放した。

「『小なる激情(ベガルタ)』!」

その瞬間、柄に込められていた魔力が柄を破壊しながら一本の槍の如く『炎師』の心臓を貫き、胴部分の大半を吹き飛ばした。

「!!がっ」

その威力なのか身に纏っていた炎の鎧は霧散し『炎師』は口より吐血して大地に倒れ伏した。

同時に『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』は消滅、周囲は再び闇の世界に戻った。

 

「!!」

お互い負けず劣らず傷だらけになって死闘を続けていたセタンタと『風師』だったが不意にその眼を大きく見開き今まで浮かべていた笑みを消した。

その視線の先には上半身を半分近く失い、倒れた『炎師』。

「向こうは片がついたか・・・さて続きと行こうか」

「・・・悪いが愉しむ喧嘩は終わりだ」

ぼそりと呟いたその言葉には今までと違う質の殺気が迸っていた。

「あんたとの喧嘩は心底愉しめたが、此処で打ち止めだ。向こうの奴らを一刻も早く殺さなきゃ気がすまなくなった」

一言事に殺意は暴風の形となって周囲に吹き荒れる。

「だからよ・・・てめえは死にな!」

そういうや暴風がセタンタを包む。

その風の一陣一陣が刃となり、次々とセタンタを切り刻む。

急所はぎりぎりで避け、防御の構えも硬く致命傷とはなっていなかったが。

しかし、暴風は衰えを知らず徐々に竜巻となってセタンタを宙へと舞い上がらせる。

「終わると思うなよ・・・上に行きゃ行くほど風は強さと数を増していく。何処まで持ち堪えられる・・・」

『風師』の言葉通り上空へ行けば行くほど風の勢いは増し斬られる回数は増していく。

「やべえ・・・」

この高度や角度であれば『貫き穿つ死雷の槍(ゲイ・ボルク)』発動に何の支障も無いが、防御姿勢を解けば自分はこの風の刃にずたずたに切り裂かれるのは目に見えている。

しかし、解かなかった所でじわじわと嬲り殺しにされる。

一見すると八方塞がりだが、竜巻である以上は出口があるはず。

現にセタンタの眼は確かに上方に風の抜け道を見出していた。

あそこから脱出できればこっちにも勝機はある。

しかし、それまで自分の身体が持ち堪えられるかそれが問題だった。

 

鋭い視線を僅かたりとも緩める事無く『風師』は竜巻を凝視する。

「さすがに英霊様ともなると頑丈と言うかしぶてえって事か。まだ生きてやがる」

心底忌々しそうに呟くが意識を別の方向に向ける。

「さて・・・人様の相棒を好き放題やってくれた礼は・・・きっちりしねえとな・・・」

そう言って竜巻に背を向けた瞬間、

「抜けでたぁ!!」

「!!」

遥か上空からありえない声が響いた。

まさかと一瞬思考を停止させた。

しかし、遥か上空にはセタンタがいた。

皮鎧等はほとんど原型を留めないほど切り刻まれ、傷だらけ、中には切られた箇所を更に深く抉られた箇所もある。

しかし、それでもセタンタは生き延びた。

既に足で自らの槍を握り締めて。

「おおおおおお!!」

間髪入れる事無く投擲体勢をとり、ありったけの魔力を一滴たりとも残す事無く槍に集結させる。

その為か槍は赤く光り、収めきれない魔力が周囲に放出される。

「この俺の究極の一撃・・・受け止めてみやがれぇ!『貫き穿つ死雷の槍(ゲイ・ボルク)!!』」

真名と共に撃ち放たれた槍は雷と化し『風師』目掛けて解き放たれた。

しかし、『風師』も一瞬の自失から既に抜け出し迎撃を構えを取っていた。

「シルフィード!!俺の身体に遠慮するんじゃねえ!ありったけの力解放しろ!」

同時に『風師』の右腕に纏われた風の装甲が厚みが増し、同時に右腕以外の装甲は全て掻き消えた。

「上等だ!受け止めるなんてけちな事はしねえ!弾き飛ばしてやらあ!」

そういうや自身に迫り来る真紅の雷を右のストレートで真っ向からぶつかった。

雷と風の間に火花が飛び散り、小さな稲妻が地面を焦がし、風の刃が大地を切り裂く。

その均衡はしばし続くと思われたが直ぐに終焉が訪れた。

「!がっあああ・・・」

突然『風師』の口から夥しい量の血が零れ落ちそれを合図とばかりに全身から血が吹き出た。

幻獣王から供給される力に『風師』の肉体が 持ち堪えられなかった。

その衝撃で均衡はもろくも崩壊、打ち勝った雷は『風師』を貫きこちらは身体の半分を消し飛ばされて『炎師』の傍らまで吹き飛ばされた。









投擲後、全身の力を込めてどうにか体勢を立て直し、着地にも成功したセタンタだったが、さすがに今回のそれは重傷だった。

精も根も尽き果てたと大の字に倒れようとしたがそれを

「おうおう、お主も随分と派手にやられたものだのぉ」

「おっさんか」

イスカンダルが受け止めそのまま肩に担ぐと一応怪我人をいたわるように戦車に乗せる。

「クー・フーリン殿、随分とやられたみたいで」

「お互いになディルムッド」

片や全身切り刻まれ、片や至る所に火傷を負い酷い所では黒焦げている。

英霊二人が此処まで追い込まれるほど相手は想像を超える強さを持っていた。

さすがは『六王権』の側近を名乗っていただけはあった。

そしてその側近である『炎師』・『風師』、二人の命は消えようとしていた。

「・・・生きてるか?ラルフ」

「・・・もう直ぐ死ぬな」

その割には二人の声に恐怖は欠片もありはしない。

一度死んだ身、死への恐怖はないといえば嘘になるが、何も知らないよりは遥かに軽減されていた。

恐怖は薄れていたがその分無念が強かった。

自分達を今日まで側近として重用してくれた『六王権』への忠義を半端な形で終わってしまった事に。

しかし、それだからこそまだやらなければならない事が残っていた。

「お返し・・・しなければなユンゲルス」

「当然、これは陛下のもの。俺らが退場となる今陛下にお返しするのが筋ってもんだ」

そう言い互いにまだ無事な腕を天にかざす。

すると、それぞれの手に風と火が込められた水晶らしき物が浮かび上がってくる。

「さあ・・・行け『ジン』、長い事世話になった・・・さらば」

「行きな『シルフィード』・・・おめえとの付き合い中々楽しかったぜ・・・あばよ」

「「行け、元の主の下へ陛下の下へ!」」

その途端水晶は天空高く舞い上がり流星となって彼らの望む方向に飛んでいく。

「ははっ、さてお別れだな相棒」

「ああ、今度こそな相棒・・・」

みれば二人の身体は灰となり朽ち果てようとしている。

長い事生かされてきたのは彼らの中の今までいた幻獣王の力によるもの。

その庇護を自分達の意思で手離した彼らに残された道は消滅しかない。

それでも彼らは笑っていた。

死徒二十七祖第二位『六王権』の側近『六師』の一角として面白おかしく過ごせたのだから。

少なくとも一度目の死に至る経緯よりは遥かに楽しかったと胸を張って言えた。

「じゃあな、相棒、会う事があれば地獄で」

「ああ、多分また会うだろう。お前の奔放さ、向こうにその手綱を捌ききれる奴がいるとは思えんからな、何処にいようとも最終的には俺が引きずり出されるだろう」

「はっ、抜かせ」

その会話を最後に『炎師』、『風師』二人の肉体は完全に灰となりその灰も風に舞って四散した。

それを見ていたのは偽りの闇と大地だけ、イスカンダル達が二人の消滅を察したのは数秒後の事だった。









その後、セビーリャでの戦いは特筆する事はない。

ディルムッド、セタンタを重傷で欠いたもののイスカンダルが『神威の車輪(ゴルティアス・ホイール)』を再び縦横無尽に爆走させ『六王権』軍を完全に分断、この頃にはようやく防衛部隊も混乱から立ち直っておりイスカンダルが分断した『六王権』軍の確固撃破に専念、セビーリャ方面の『六王権』軍は完全に全滅した。

こうして最終決戦は一つまた一つと終わりを向かえすべての終焉に確かな歩みを見せていた。

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